
家を貸したい人には、さまざまな心配がありますよね。
「家を貸したいけれど、何から始めればいいの?」
「家を貸すデメリットが気になる」
「賃貸でなく売却したほうがいいの?」
「いつかまた戻ってきたいんだけど…」
「自分でも運営管理していけるの?」
一軒家を貸したい場合、転勤や海外赴任、親との同居など、家を貸す理由もさまざま。実はそれぞれの理由に合う賃貸の種類があるんです。
そこで今回は、家を貸すメリットやデメリットから、実際の貸出手順や、気になる家賃相場や退去時のリフォームについてもご紹介。さらに、家を貸すさまざまな悩みへのアドバイスもお伝えしていきます。
家を貸したい方は、ぜひ家を有効活用する参考にしてくださいね!
Contents
1. 家を貸すことのメリット・デメリットは?
まずは家を貸すことのメリットとデメリットについて考えてみましょう。
使わない一軒家を貸す場合のメリット・デメリット | |
---|---|
メリット | ・家賃収入を得られ、税金対策にもなる ・空き家にしないことで建物の劣化を軽減できる |
デメリット | ・運営のコストと手間がかかる ・人が住むことによる内装や設備の劣化・故障がある |
メリット
家を貸すということで受けられる最大のメリットは、「家賃収入を得られる」という点です。家を貸し出すだけで、本業とは別に収入が得られるのは大きいですよね。
家を所有していると、住んでいなくても固定資産税が課税されます。家賃収入があれば、固定資産税の支払いに充てられたり、確定申告の際に税金の控除を受けられたりするので、建物維持費用の節約にもなるでしょう。
また、家は人が住まないと劣化しやすくなります。防犯面でも誰かが住んでくれるほうが安心ですよね。
デメリット
一方、家を貸すことで、「建物や設備が劣化する、故障する」などの物質的なリスクや、「入居者とのトラブル」などデメリットも存在します。ただ、デメリットも良い管理会社を活用することでリスクの軽減などが可能です。
2. 賃貸には「定期借家契約」と「普通借家契約」がある
家を貸す時には、2つの貸し出す契約条件があります。それは、「定期借家契約」と「普通借家契約」です。
この契約は、家を貸し出す期間によって選ぶことがおすすめです。まずはそれぞれの契約がどのようなものなのかを確認していきましょう。
定期借家契約
契約更新のない契約で、契約期間を自由に決めることができます。例えば、海外に行くので3年間だけ家を貸したい時に有効な契約方法です。
いつか自宅に戻ってきたい人は、定期借家権契約を選ぶとよいでしょう。
◎ メリット
- 契約期間をあらかじめ設定してから契約し、契約終了後は更新もないため、契約終了後に確実に明け渡しされる。
- 必ず家が手元に戻ってくるという安心感がある
- 契約更新されないので、入居者とのトラブルを減らすことができる
✕ デメリット
- 契約期間を定めて契約するため、期限を設けずに長期間住みたい入居者からは敬遠される
- 普通賃貸借契約型の家賃相場よりも安く設定しなければ、入居者が決まりにくい側面がある
- 契約時や期間満了時に書面や通知が必要なため、普通借家手続きが煩雑化しやすい
普通借家契約
普通借家契約は、一般的な賃貸契約方法で、契約期間を設定し、更新することができる契約です。
契約期間は1年以上で設定しますが、通常契約期間を2年とすることが多いようです。例えば、この家に当面住む予定がないので、空いた家で賃貸収益を得たい時に有効な契約方法です。
売却はしたくないけど、自分が戻って住む予定がない人におすすめです。
◎ メリット
- 契約期間が定められていないので、借主から契約解除の申し出がない限り、自動更新
- 期間を設けずに家を貸したい場合、入居者が決まっている安心感がある
- 入居者が「退去したい」と申し出るまで、家賃収入が確保できる
✕ デメリット
- 賃貸オーナーからの契約解除や契約更新の拒否ができないため、貸主になる自分自身の都合、例えば「転勤先から帰任することになったので、家を返して欲しい」などの理由で賃貸契約を解除することができない。
- 万が一入居者に問題があっても、相当の理由がなければ貸主から解除できない。
このように双方の契約形態でメリット・デメリットが存在します。安易にどちらの契約形態にするかを決めてしまわず、家を貸し出す期間や、将来の見通しを立てておくことは非常に大切です。
3. 家を貸す手順
実際に家を貸すことになったら、以下の手順ですすめていきます。
3-1. 管理会社を選ぶ
家を貸すことを決めたら、まず一番重要なことが「管理会社を選ぶこと」 です。
管理会社とは
管理会社は、賃貸不動産の管理の実務を行ってくれる会社です。
管理会社に頼まず、大家さんが不動産管理を行うこともできますが、不動産管理の仕事は多岐にわたり時間も手間も知識も必要です。
また、不動産に不具合があった場合に対応してくれる専門の会社と提携しておく必要もあります。
できれば、賃貸管理を扱っている管理会社に管理を委託するのがおすすめですよ。
よい管理会社を選ぶ方法
大切な我が家を他人に貸すというのは、どんな場合でも不安がつきものです。そのため安心して我が家を任せられる管理会社を選びたいですよね。
「賃貸経営HOME4U(ホームフォーユー)」なら、1分ほどの簡単な入力で、大手から地域密着企業まで70社以上の管理会社に一括で賃貸経営の相談ができます。もちろん相談する管理会社は自分で選択することができますし、選んだ企業以外からの連絡は来ないので、安心して利用できますよ。
また、賃貸経営HOME4Uを利用したオーナーさんの満足度は94%と高評価です!ぜひ管理会社を選ぶ際には、利用してみてくださいね。
3-2. 貸出前の準備を行う
管理会社を選んだら、続いて貸出前の準備が始まります。
管理会社によっても必要となるものは異なりますが、大抵の場合、以下のようなものが必要になりますので、管理会社の指示に従って揃えておきましょう。
必要となる書類など
- 間取図・パンフレット
- 建物登記簿謄本
- 土地登記簿謄本
- 本人確認書類(運転免許証、印鑑証明書など)
- 印鑑・自宅の鍵
書類を揃えつつ、貸出条件についても管理会社と設定していきましょう。
設定する条件には、以下のようなものがあります。
設定する条件
- 賃料
- 管理費
- 更新料
- 敷金・礼金の有無
- 火災保険の加入について
などです。
3-3. 入居者の募集・審査を行う
条件が決まったら、続いて入居者探しが始まります。
入居者募集は管理会社のホームページや店頭チラシ、ポータルサイトなどを通じて行われますが、募集自体は管理会社の業務となりますので、ご自身で探す必要はありません。
入居希望者から申し込みがあると、管理会社を通じて紹介されますので、入居可否を審査・承諾します。入居可否の結果については、管理会社から入居申込者に通知されます。
3-4. 契約して引渡す
入居希望者と条件が合致したら、いよいよ契約となります。
契約時には、貸出前に揃えた書類などに加え、収入印紙などが必要になる場合があります。個人管理の場合、契約時に慌てないよう事前に準備が必要ですが、管理会社を利用していれば対応してくれる業務です。
3-5. 賃貸管理を行う
貸出中の管理は、管理会社に任せることができます。ただし、どこまでの業務を管理会社に委託するかによって、大家さんが行う仕事は変わります。
貸出中の管理には、大きく分けて以下の3つのポイントがあります。
(1)家賃の管理
指定口座への入金を確認し、もし入金がないようであれば借主に連絡します。
もし借主が滞納を繰り返す、支払いに応じないなどのトラブルに発展した場合、管理会社に督促を依頼することもできます。
(2)借主からの苦情
借主からの苦情が発生した場合、速やかに対応する必要があります。
苦情の種類で多いのが、室内外の設備の故障・不備や、近隣への苦情です。借主の窓口を管理会社としている場合、まずは管理会社が一次受付をして、修理や近隣対応などの必要があればオーナーに連絡が入ることが多いです。
(3)更新や退去への対応
契約期間が満了に近づく場合や、借主からの契約解除の申し出があった場合、手続きが必要です。
4. 入居者が退去することになったら
賃貸契約では、入居者が部屋を出ていく退去が発生します。退去が決まったら、退去手続きと、退去後の物件の対応が必要になります。
4-1. 解約手続きと建物の明渡し、退去立会
入居者から解約の申し出があった場合、解約日を決めて、貸主と入居者の双方立会いで退去と建物の明け渡しを実施します。
もし希望があれば管理会社の三者立会いも可能です。
一般的に、借主は物件を借りたときの状態に戻す「原状回復」が義務となります。立ち合いでは、原状回復できているか、できていない場合はどの程度の違いかを確認します。
4-2. 退去後の建物の管理、保全、リフォーム
退去後の建物には、どれだけ綺麗に使っても汚れや故障、劣化が生じています。
もし定期借家でかつ自分自身が住むということであれば、必ずしもリフォームが必要ではありませんが、再び別の入居希望者に貸すということであれば、リフォームやホームクリーニングを行いましょう。
新しい部屋を内覧してもらうことで、次の入居者が決まりやすいというメリットもあります。
4-3. リフォームする場合のリフォーム代について
リフォームする場合のリフォーム代は、基本的に経年劣化として賃貸オーナー負担となります。
費用は築年数や規模によって異なりますが、設備の取り替えなどが発生する場合を見越して50万円程度用意しておきましょう。
これらは大まかな賃貸の手順であり、実際には予期せぬ出来事やイレギュラーな問題が出てくることもあります。
5. 家を貸す悩みと対処法
5-1. 賃貸と売却で悩んでいるなら
家を貸すことを検討している場合、家を貸すか売却するか迷うケースもあるかと思います。判断の材料となるポイントをまとめました。
賃貸と売却のメリット・デメリット
賃貸か売却かで悩んでいる人は、メリット・デメリットを自分のケースにあてはめて、どちらがよいか考えてみてください。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
貸す | ・賃貸収入が入る ・資産を残せる |
・管理のコストと手間がかかる ・経年劣化により資産価値が減る |
売る | ・まとまったお金が手に入る ・不動産管理や固定資産税の支払いがなくなる |
・資産がなくなる |
住宅ローンが残っている場合
賃貸にするか売却にするかのポイントとして住宅ローンの支払いが終わっているかどうかも重要です。
原則的に、住宅ローンは「自己住居」が借入の条件になっています。 住宅ローンが残っている状態で賃貸にしたい場合は、住宅ローンの借り入れ先である金融機関に確認する必要があるでしょう。
また、「査定額(売却額)が住宅ローン残高を上回るかどうか」もポイントになります。住宅ローン残高が少ない場合は、売却という方法も検討してもよいかもしれません 。
売却に関する記事は、こちらの記事『9割以上が満足した【家を高く売る】3つの簡単テクニック』詳しくお伝えしています。
残債はあるけれど住宅の売却を検討したい人は、「マンションを売却する際にローンが残っている場合に知っておくべき全手順」をご覧ください。
5-2. いつかまた自分が住みたいなら
もし期限付きで自宅に住まないのであれば、「定期借家契約」で家を貸すのが良いでしょう。
せっかく空いているのであれば、貸し出すことで家賃収入が得られる他に、人間が住んでいることで、家の換気ができ、掃除してもらうことができるので、思ったよりも家が傷まないというメリットもあります。
他人に貸し出すことに抵抗がなければ、賃貸という選択肢は、大いに有効活用できる方法の一つです。
5-3. 働きながら賃貸オーナーになれるか不安なら
「実は働きながら大家さん」という方は意外と存在します。しかし日々の本業の中で、家賃の管理や建物の管理などをこなすというのは、とても大変です。
そのため一般的には、賃貸経営のプロである管理会社にお任せ、というケースが多いです。信頼できる管理会社を見つけるためには、最初の管理会社探しはとても重要なので、しっかり厳選してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
家を貸すことは一見ハードルが高そうに思えますが、管理会社をうまく活用すれば、簡単に賃貸オーナーになれるということがお分りいただけたのではないでしょうか。
家を貸すことにはメリットもデメリットも存在しますが、信頼できる管理会社に出会うことができれば、安心して家を貸すことができます。
もし、どの管理会社を選んだら良いか分からないという方は、大手から地域密着企業まで70社以上が参画している「賃貸経営HOME4U(ホームフォーユー)」を活用してみてください。
きっとベストマッチな管理会社が見つかるでしょう。
この記事のポイントまとめ
メリット
- 家賃収入を得られ、税金対策にもなる
- 空き家にしないことで建物の劣化を軽減できる
デメリット
- 運営のコストと手間がかかる
- 人が住むことによる内装や設備の劣化・故障がある
詳しくは「1. 家を貸すことのメリット・デメリットは?」をご覧ください。
定期借家契約:契約更新のない契約で、契約期間は自由に設定可能。
普通借家契約:一般的な賃貸契約方法で、契約期間を設定し、更新できる契約。
それぞれのメリット・デメリットは「2. 賃貸には「定期借家契約」と「普通借家契約」がある」で紹介しています。
退去時に大家さんは以下の2つを行う必要があります。
- 解約手続きと建物の明渡し、退去立会
- 退去後の建物の管理、保全、リフォーム
それぞれの内容と注意点は「4. 入居者が退去することになったら」でお伝えしています。
- 賃貸と売却で悩んでいるなら
- いつかまた自分が住みたいなら
- 働きながら賃貸オーナーになれるか不安なら
家を貸したいと検討中の方は、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。