住んでいない家の売却にかかる税金とは?売却する2つの方法も紹介

住んでいない家 売却 税金

住んでいない家を売却する際には、譲渡所得税や印紙税といった税金がかかります。

とはいえ、そもそも不動産の売却経験がなく、どれくらいの税金がかかるか分からず不安を感じている方も多いのではないでしょうか。空き家の売却時にかかる税金には税制優遇が適用されるケースや特例があるので、事前に確認することで減税できる場合もあります。

そこで今回は、住んでいない家の売却をお考えの方に向けて、売却時の税金に関することを網羅的に解説します。最後まで読み進めてもらえると、売却時にかかる税金への不安を払拭でき、売却するか意思決定しやすくなります。

家の売却について基礎から詳しく知りたい方は『家を売る方法』も併せてご覧ください。

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1.住んでいない家の売却には譲渡所得税がかかる

不動産を売却し譲渡所得(売却益)が出た場合は、その譲渡所得に対して『所得税』と『住民税』がかかります。
住んでいない家を売却する場合でも同様に、譲渡所得が出た場合は、所得税と住民税が課税されます。
(2037年までは、所得税額の2.1%の金額となる、復興特別所得税が併せて課税されます。)

上記の所得税と住民税は、譲渡所得に対して課税されるため、まとめて『譲渡所得税』と呼ばれることもあります。

譲渡所得税の金額は、売却で出た利益部分である譲渡所得の金額次第で変わります。

譲渡所得が出なかった場合は、譲渡所得税はかかりません
また、譲渡所得は、売却金額と同じではありませんのでご注意ください。

税金がかかるからと言って、住んでいない家を放置せず、売却の計画を進めていきましょう。
空き家の放置には、様々なリスクが生じるためです。
詳しくは『知らないと後悔する!?空き家対策特別措置法の内容と対策』も併せてご覧ください。

2. 譲渡所得税の出し方

譲渡所得税は、以下の計算式で算出します。

譲渡所得税 = 譲渡所得(売却代金 − (取得費 + 譲渡費用))× 税率
計算式の内容
売却代金 今回空き家を売って受け取った代金
取得費 空き家を買ったときに支払ったお金(空き家だと不明なケースがあり、この場合は売却代金の5%で計算されます)
譲渡費用 売るのに使った費用

譲渡所得税の税率は、売る家の所有期間が売却した年の1月1日時点で5年以下か5年超えかで変わります。

税率 (2021年12月現在)
  長期譲渡所得(5年以下) 短期譲渡所得(5年超え)
譲渡所得税 15% 30%
住民税 5% 9%
復興特別所得税 0.315%
(15%×2.1%)
0.63%
(30%×2.1%)
合計 20.315% 39.63%

たとえば、空き家を売って1,000万円の売却益が出ても、古くから親が住んでいた家なら約203.15万円、買って間もない家なら396.3万円の税金がかかります。

実家の空き家を売った場合、親が長く住んでいた家であることが多く、長期譲渡所得の少ない税率がほとんどでしょう。

さらにここから減税制度を利用すれば、空き家にかかる税金を減らすことができますよ!

取得費の出し方や取得費の計算のために必要な減価償却についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

不動産売却の税金はくらいかかる?計算方法と節税に役立つ11の対策

3.相続した空き家の売却に使える税金控除の特例

相続後に空き家となっている家を売却する際は、譲渡所得を最大3,000万円まで控除できる特例を適用できます。(以下、相続空き家の3,000万円特別控除とよびます。)
参考:国税庁『No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

相続空き家の3,000万円特別控除を適用すれば、譲渡所得3,000万円を超えない限り、譲渡所得税が発生しません。

なお、特例を適用するには、以下の要件を満たす必要があります。

3-1.期間に関する要件

  1. 平成28年4月1日から2027年(令和9年)12月31日までに売却した空き家であること
  2. 相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までの売却であること

上記1、2の両方を満たし、特例が適用されるケースは以下の図のようになります。

空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)について

出典:国土交通省「空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)について」資料

3-2.そのほかの条件

「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」は、前述の期間の条件と、以下の【条件1】の1~5をすべて満たし、なおかつ、【条件2】のいずれかを行った場合に適用されます。

項目が多く、条件が厳しい印象がありますが、親が亡くなるまで住み続けてきた古い戸建て住宅で、親が亡くなってからは空き家のままであれば、[条件1]の半分はクリアできるので、しっかりチェックしてみてください。

【条件1】

  1. 昭和56年5月31日以前に建築された戸建て(マンションなど区分所有建物ではない)
  2. 相続開始まで自宅で、相続により空き家になった
  3. 相続から空き家以外になっていないこと(賃貸に出すなどの使用履歴がない)
  4. 売却額が1億円を超えないこと
  5. 行政から要件を満たす証明書等が発行されていること

さらに、売却に際して以下のいずれかを行うことが必要です。

【条件2】

  1. 耐震リフォームをする(既にリフォーム済みで耐震性がある場合は不要)
  2. 建物を取り壊して更地にする

4.所有者存命での売却に使える税金控除の特例

例えば、「高齢の親との同居のために空き家となっている実家」「高齢により施設に入ったため空き家となっている家」など、所有者が存命であるにも関わらず、空き家状態となっている家も多く存在します。
このような場合は、所有者にとってのマイホーム売却となるため、以下のような税金控除の特例を利用できます。

  • 3,000万円特別控除の特例
  • 10年越え所有軽減税率の特例

なお、所有者の年齢や病状などによっては、身体的に自身で売却するのが難しい場合もあります。
そうした場合は、所有者に委任状をいただくことで、他者でも売却ができます。また、これより説明する特例も適用可能です。

4-1.3,000万円特別控除の特例

3,000万円特別控除の特例は、マイホームの売却で譲渡所得が発生した場合に、譲渡所得を最大3,000万円まで控除できる特例です。
譲渡所得が3,000万円を超えることは中々ないので、特例利用により多くの場合で非課税にできるでしょう。

ただし、以下のような要件を満たす必要があります。

  1. 自分が実際に住んでいた家であること(別荘は対象外)
  2. 自宅に住まなくなってから3年目の12月31日までに売ること
  3. 売る相手との関係が、親子・夫婦・生計を共にしている親族ではないこと
  4. 実家を売った年の前年、前々年に、「3,000万円特別控除の特例」「特定の居住用財産の買換えの特例」「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」などの特例などを受けていないこと
  5. 同じ年に「特定の居住用財産の買換えの特例」などの特例を受けていないこと
  6. 住宅ローン控除を受けていないこと

など

詳しくは『No.3302 マイホームを売ったときの特例

大前提として、「実際にマイホームとして住んでいた家」を、「住まなくなってから3年目の12月31日までに売却」する必要があります。
空き家期間が長いと対象にならない可能性もあるので、注意しましょう。

また、3,000万円特別控除の特例は、次項の10年越え所有軽減税率の特例との併用が可能です。

親の家を売る方法2つ!売却にかかる税金とお得な特例とは?

4-2.10年越え所有軽減税率の特例

10年越え所有軽減税率の特例は、所有期間が10年を超えているマイホームを売却した際にかかる譲渡所得税の税率を軽減する特例です。

所有期間が5年を超えている場合は、本来譲渡所得税の税率は20.315%です。
一方で、軽減税率を適用させると14.21%になります。
ただし、軽減税率の適用範囲は、譲渡所得の6,000万円までになります。

譲渡所得金額※ 所得税 住民税
6,000万円以下の部分 10.21% 4%
6,000万円超の部分 15.315% 5%

10年越え所有軽減税率を適用するには、以下のような要件を満たす必要があります。

  1. 却する自宅が、売却する年の1月1日で10年を超えていること
  2. 宅に住まなくなってから3年目の12月31日までに売却すること
  3. 本国内になる自宅を売却するか、自宅とともに敷地も売却すること

など

詳しくは『国税庁:No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例』をご覧ください。

また、10年越え所有軽減税率の特例は、前項の3,000万円特別控除との併用が可能です。

5. 住んでいない家を売却する2つの方法

ここまで、住んでいない家を売却した際にかかる税金に関して解説してきましたが、ここでは住んでいない家を売却する2つの方法を紹介します。

  • 古家付き土地として売る
  • 更地にして売る

それぞれの方法に関して、詳しく解説します。

5-1. 古家付き土地として売る

住んでいない家を売却する方法として、家を解体せずに古家付きの土地として売る方法があります。

家を解体せずに売却するので、買主には民家をそのままリフォームして住んでもらうか、買主自身で解体して新しく家を建てるようになります。

売主は解体費用などを必要としない分、売却価格が低くなる可能性があります。

また近隣に別の中古物件や更地の土地がある場合は、古家付きの土地として売り出しても長期間、買い手が見つからない場合もあるので注意が必要です。

古家付きで土地を売却する際の詳しい内容は、以下の記事もご覧ください。

土地売却の流れは?古い家がある土地の売り方も専門家が解説

5-2. 更地にして売る

売主自らが民家を解体して、更地にして売却する方法もあります。

売主が解体費用や整地費用を支払う必要があるので、売却する前にまとまったお金が必要となります。

ですが、更地の場合は、買主が解体費用を支払う必要がなく、期間をあけずに新築の建築に取り掛かれるので、選ぶ方が多いです。

古家付きの土地として売却するよりも、買主が見つかりやすい傾向にあります。

6. 住んでいない家を売却したいならまずはよい不動産会社を探す

住んでいない家の売却を成功させる最大のポイントは、不動産会社選びです。

住んでいない家は長く放置すればするほど家屋が劣化し資産価値が下がったり、維持費がかさんだりして、よいことがありません。

早めに売却することで受けられる減税制度もありますので、住んでいない家を所有しているなら、まずは不動産会社に相談しましょう。

また、住んでいない家の売却は通常の売却より考えるべき問題が多いものです。そこで住んでいない家の売却には、空き家売却の実績がある不動産会社を選ぶことが大切になります。

適した不動産会社を探す方法

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まとめ

住んでいない家は早めに売却することがおすすめです。
住んでいない家を売却して税金がかかる場合には、使える特例を利用して減税しましょう。

  • 親が存命の場合は、「マイホームを売ったときの特例」
  • 相続した物件なら「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」

条件を満たせば3,000万円の控除が受けられ、最大609.45万円の節税ができます。

誰も住まないからといって、実家の売却をすぐに決断できる人はそう多くはいないでしょう。 ただ、心していただきたいのは不動産の売却には時間がかかるということ。 「売却に1年もかかってしまった」なんてことも珍しくありません。

3,000万円の特別控除を利用するためにも、売却を決めたら1日でも早くまずは不動産会社に相談してみてくださいね。

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